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スターバックス、シアトル本社の「日本文化破壊」と安っぽい脅し文句

 96年に初の海外進出として銀座へ出店、以降『スターバックス』は急成長を遂げてきた。日本での快進撃を支えるのが、子会社にあたる『スターバックス コーヒー ジャパン(以下、SCJ)』。シアトルの方針を継承しつつ出店戦略などを練り、地下鉄構内、病院、会社のなかなどにまで進出するなど、新しいカフェのあり方を模索してきた。

 が、実は『ジャパン』には不満があった。社内のNさんが話す。

「チェーンが世界に広がり、豆の仕入れが世界規模で行なわれるようになるなどシステム化が進むにつれ、日本独自の商品はゼロではないんですが、出しづらくなってきたんですよね」

 日本の文化、抹茶を使った『抹茶 クリーム フラペチーノ』も、実は米国での抹茶の流行を受け、米国の本部が開発したものだったりする。しかも、この発売時にはひと悶着あった。

「米国人の味覚ってとくに甘味は日本人とまったく違いますよね。日本での発売の数年後、米国でも発売することになったのですが、そのタイミングで、甘味にメロンシロップを入れることになったんです。で、シアトルは日本でもこのレシピに変更するように連絡してきたんですよ」

抹茶 クリーム フラペチーノ。Ventiサイズはなんと567kcal

「議論の余地はない。君はシアトルの方針に従いなさい」

 これが記者の報告が嘘ではない証拠だ。下記のサイトに「味は炭酸が抜けアイスクリームの溶けたファミリーレストランのメロンソーダーフロートのような感じ」と記載がある。またクックパッドでは「アメリカのスタバで働く知人から教えてもらった」「本場のレシピでは、なんと!!メロンシロップが入るそうなんです!」との記載がある。

EXCITEニュース:米スタバの抹茶クリームフラペチーノはメロン味!?
https://www.excite.co.jp/news/article/00031122370029/

クックパッド:本場アメリカの!抹茶フラペチーノ♪

https://cookpad.com/jp/recipes/17648022

 SCJはこれを認めないが、メロンシロップを入れる理由は“緑つながり”だというから、彼らの多文化に対する感性がわかろうというものだ。米国でメロンシロップを入れられるだけでも日本人として不愉快。しかも『日本でもこうするように』などと決められたらたまらない。

 しかもシアトルの幹部は日本の提案にはこのような態度なのだ。N氏によれば、彼が米国にない商品を開発しようとした時、米国は、「我々が知らないものはスターバックスのメニューに出したくない」と話し、こう付け加えた。

「議論の余地はない。君はシアトルの方針に従いなさい」

ローカルを押しつぶす「グローバル」、抹茶を押しつぶす甘味

 メロンシロップを入れよ、という恐ろしい指令にSCJは猛然と反発した。同系色とはいえ、抹茶にメロンシロップなどとんでもない。結局、SCJ全体で説得にあたるとシアトルは通常のノンフレーバーシロップでの販売を認めたが、根っこにはそれより根深い摩擦もあった。

 米国でスタバが人気化した理由のひとつに“メイド・フォー・ユー”の考え方があった。シロップ多め、クリームなしなど“自分だけの一杯”を自由にオーダーできる。米国ではお客さんの半数以上が飲料をカスタマイズする。だからこそ、シアトルは「メロンシロップが嫌ならお客さまがカスタマイズすればすむ話」と言ったが、N氏はこう話す。

「日本ではまだカスタマイズが根付いていなくて、全体の数%にも満たないんです。だから米国では正しい考え方かもしれませんが、日本ではどうか」

 彼は今も、“抹茶 クリーム フラペチーノ”の味には疑問だという。

 「正直、ボクは甘すぎると思う。あの商品には実際、最高級の抹茶を使われていますが、その味が生きていないと感じます。みなさんもぜひ一度、シロップ少なめにカスタマイズしてみていただければと思いますね」

 過去、戦争は、こういった他文化の軽視が政治レベルで行われた時に起こされてきた。飛躍しすぎではない。よく、「日本は過去の戦争から学ぶべき」と言われるが、米国人も過去の悲劇から、それがなぜ起きたか学ぶべきだ。